鋳造(ちゅうぞう)、キャストって?
金属を高温で溶かして液状にし、石膏の型に流し込み、冷やして固める製法です。
キャスト、キャスティングとも呼ばれます。
ワックス製作の際の注意点
鋳造は大変シビアな作業です。温度や湿度の管理、石膏の配合はもちろん、石膏の中に入れるワックスの配置、溶かした金属を流すタイミング等、多くの条件をクリアしないと成功しません。
また、条件はクリアしていても、ワックスのほうに問題があっても失敗のリスクがあります。
以下に例を掲載いたします。
【1】薄すぎる
シートワックスで作った物や、リングの裏抜きをやり過ぎて薄くなってしまった物。
薄い部分は金属が流れづらいため、穴が開いたように仕上がってしまうおそれがあります。
必要な厚みは製品の大きさによって変わります。全長10mmなら厚みは0.6~0.7mmでもよいですが、全長50mmなら厚みは1.8~2.0mmほど必要になります。
【2】ワックスを貼り合わせている
ワックスの貼り合わせ自体は問題ありませんが、そこにわずかに隙間があると、埋没の工程で石膏が入り込み、焼成の際に中で折れて金属の流れを邪魔してしまいます。
この鋳造不良を「石膏崩れ」と呼びます。
ワックスを貼り合わせる場合は、熱したスパチュラで隙間をなぞり、溶接するようなイメージで隙間を埋めてください。
【3】穴を開けている
石留めのための下穴が開いている場合、その穴が原因で石膏崩れを起こすことがあります。
穴が小さいほど鋳造不良のリスクが上がります。
目印として穴をあけたい場合や、高額な金属で鋳造するため少しでも重量を抑えたいという場合は、穴を貫通させずに途中で止めてください。
【4】スプルーワックスを編んでいる
スプルーワックスを編んだ物は隙間や穴が多いため、石膏崩れを起こすリスクが高いです。編まずに束ねた状態でも鋳造不良を起こします。
細い銀丸線を編んで後から溶接する方法をお勧めします。
このワックスは強度も低いため、配送中にケースの中で破損していることがあります。梱包の際は注意しましょう。